花へんろ〜風の昭和日記〜

昭和とは どんな眺めぞ 花遍路

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大正十二(1923)年の夏、静子(桃井かおり)は家出をした。叔母のウメ(沢村貞子)を訪れるなり金を貸してほしいと頼み込む。歌手志望の静子は東京の音楽学校に行きたいのだ。なんとかウメから金を借り、船に乗るため港へ向かう静子。だが運悪く、関東大震災が静子の東京行きの夢を阻む。いまさら実家に帰りづらい静子を、叔母のウメはウチに残れと誘う。ウメの息子の勝二(河原崎長一郎)の嫁にうってつけだと考えたのだが…