すれ違う青春、交わる音楽
© 武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
全日本吹奏楽コンクール。奇跡から2年――全国大会の舞台に今度は部長として立つ久美子。照明に照らされキラキラと輝くステージで思い返すのは、北宇治高校吹奏楽部で過ごした日々のこと。悲願の目標である「全国大会金賞」を果たすことができるのか……。「響け!ユーフォニアム3」堂々の最終回!
全国大会メンバーを決めるオーディション結果が発表された。それを受けて久美子は、顧問の滝昇にあることをを申し出る。北宇治高校吹奏楽部は実力主義。久美子は、最後の演奏に向けてステージに立つ。
再び一つにまとまった北宇治高校吹奏楽部。部員たちにも笑顔が戻る。真由に感謝の気持ちを伝える久美子。しかし真由本人はその言葉を素直に受け止められないのか表情は晴れない。やがて、久美子にも自分の将来を考えるリミットが近づいてきていた。そして麗奈は――。
先日のオーディションを経て、大会ごとに演奏メンバーが変わる制度について部員たちから不満の声が漏れ始める。久美子や秀一がなんとかなだめようとするも、一度入った亀裂は修復しきれず、関西大会を前に部の雰囲気は最悪なままだった。さらに麗奈と秀一の言い争いも起こり、久美子と麗奈の関係もギクシャクしはじめて……。
完全な実力主義――まさかのオーディション結果に部内に衝撃が走る。部員たちはいつも以上にピリピリしており、橋本がいう「音を楽しむ」ということからは程遠い状態になっていた。それは久美子も同様で、いつも通りを意識するも動揺が隠せない。そんな久美子に奏が声をかけてきて……。
関西大会突破に向け、3日間の合宿がスタートする。お馴染みの音楽指導者である橋本・新山も参加し、練習にもより一層熱が入る。大会ごとにオーディションを行うことにした吹奏楽部。合宿1日目の夜に関西大会のメンバーを決めるオーディションを行うとあって、緊張感が漂う。オーディション前、風呂場で真由と一緒になった久美子は……。
府大会を無事に突破し、しばしのお盆休みを満喫する部員たち。貴重な休みを充実させるべく、受験勉強もほどほどに予定を詰めていく久美子。休み初日に葉月や奏たちと大学説明会へ参加した久美子は、大学のブースを見て回るが、なかなか将来やりたいことを明確にできずにいた。そんな久美子とは対称的に葉月は進路をすんなり決めてしまい――。
修学旅行もあっという間に終わり、コンクール府大会メンバーを決めるオーディションが近づいてきた。部員たちが練習に励む中、真由は転校してきたばかりの自分がオーディションを受け、コンクールの舞台で吹くことに対して申し訳なさを感じているという。北宇治は実力主義であると説く久美子だったが、真由は納得した様子はなく……。そして運命のオーディション当日を迎える。
サンフェスも無事に終わり、8月のコンクールに向けての練習が本格化。部の目標である「全国大会金賞」を達成するためにオーディションの形式を変えることにした久美子たち。初めてのコンクール、最後のコンクール……それぞれの想いを胸にチャンスをものにしようと意気込む部員たちだが、真由はひとり浮かない顔をしていて……。
初心者も少しずつ上達し、部の雰囲気も好転。サンフェスとコンクールを並行で練習するハードな日々だが、皆前向きに取り組んでいた。しかしそんな中、求だけは不機嫌さを隠そうとせず、周囲も気を遣う始末。緑輝がフォローするも、求の頑なな態度は変化しなかった。そしてサンフェス当日、北宇治高校の前に演奏するのが求の出身校・龍聖学園で――。