© 幸村誠・講談社/サンライズ・BV・NEP
いよいよフォン・ブラウン号の木星出発の日が近づいてきた。ハチマキは、出発の前に1年ぶりに会うチェンシンとともに、拘置所にいるクレアの面会へと行く。元気そうなクレアの姿にハチマキは安堵を覚えた。一方、タナベはリハビリを重ねた結果、宇宙に戻れるまでに回復していた。懐かしい場所に戻ったタナベを迎えたのは、以前と変わらないデブリ課の仲間たちの顔だった。
ついに木星往還船フォン・ブラウン号の乗員選抜試験に合格したハチマキ。久しぶりにテクノーラ社にやってきた彼は、そこでタナベが地球に戻っていることを知る。木星へ出発する前に実家に戻ったハチマキは、バイクでタナベの実家に向かった。だがその途中、事故を起こしてしまう。
宇宙防衛戦線のテロは、フォン・ブラウン号にも及んでいた。テロに巻き込まれたタナベは、フォン・ブラウン号の船内で傷ついたクレアを見つける。救命艇で脱出した2人は月に着陸するが、降りた所は何もない月の砂漠だった。タナベは傷ついたクレアを背負い、有人施設を目指して歩き始める。ところが、クレアは自分を置いていくように言うのだった。
月ステーションで初めての連合評議会が開かれた。世界が注目するこの時、宇宙防衛戦線の活動がにわかに活発になって来る。その頃、フィーたちはToyBox2で宇宙に出ていた。テロ対策も兼ねて月ステーション周辺のデブリを回収するためだ。しばらくしてフィーは正体不明船を発見する。その時、フィーの後頭部に銃が突きつけられた。
デブリ課は月支部に異動になった。同じく月で、ハチマキはフォン・ブラウン号での事件の取り調べを受ける。クレアも取り調べを受けるのを知り驚くハチマキ。市街で偶然ラビィたちに会ったハチマキは、ギガルトが月の病院にいるのを知り見舞いに行くのだが…。その頃、月ステーションでは地球外で初めての連合評議会が開かれようとしていた。
ついにハチマキは、フォン・ブラウン号にやって来る。これから半年間、乗組員第三次試験のため滞在するのだ。一方、タナベは月に向かう途中なんとかハチマキに連絡をとることができたが、冷たく突き放されてしまう。ショックを受けるタナベだが、偶然にもあるデブリを回収する。それは以前事故を起こしたタンデムミラーエンジンの残骸だった…。
ハチマキは舞台を宇宙空間に移して二次試験に入っていた。EVAテストを優秀な成績でクリアしたハチマキは、さらにハキム他2人とチームを組んでの閉鎖環境テストに向かう。一方、その頃、デブリ課には新人が配属されていた。だがその新人は思いもよらない人物で…。
木星往還船乗組員の一次試験が始まった。試験会場にはたくさんの受験者が集まっていて、その中にはハチマキやチェンシンの姿もある。デブリ課に残ったタナベはハチマキが気になるが、連絡がうまく取れないでいた。基礎体力試験、筆記試験が終わり、ハチマキは最後の水中試験に挑むのだが、アクシデントが発生する。
デブリ課が所属する第二事業部に、新しい事業部長がやって来た。彼の方針で近々のデブリ課解散が宣言される。ショックを受ける課長、ラビィたち。しかし、木星行きを考えているハチマキは気にしない。ToyBox2で最後の回収に出かけるデブリ課メンバー。デブリは漂流した宇宙船だ。ところがその宇宙船は…。
木星計画担当官ロックスミスがデブリ課を訪れた。どうやらハチマキの父である星野ゴローを探しているらしい。理由を聞くと木星往還船『フォン・ブラウン号』のクルーにスカウトしたいとのこと。興味がなく隠れていたゴローに木星行きは人類の夢だとハチマキは力説するが、まったく相手にされない。そんな時、フォン・ブラウン号のエンジンが大事故を起こす。