100分de名著

誰もが一度は読みたいと思いながら、なかなか手に取ることができない古今東西の「名著」を、25分×4回=100分で読み解く番組です

共有

ローティ“偶然性・アイロニー・連帯” (1)近代哲学を葬り去った男

初回放送日:2024年2月5日

ローティは、西欧哲学の流れをふかんし、その根本動機が「究極の真理を見出し、それによってすべての学問や知を基礎づけ直すこと」にあると分析。そのあり方を鋭く批判する 西欧哲学が唱えてきた「基礎づけ主義」「本質主義」は、価値感が多様化した現代にあっては百害あって一利なしと批判するローティ。あらゆる知がそれぞれの地域や時代によって育まれた「偶然的なもの」であるという事実を直視し、そこから哲学の新たな役割を創り出さなければならないと主張するのだ。多様な価値観がせめぎあう社会の中で、歪んだ「語り」や「言説」に治療的に働きかけるという哲学の新たな役割に迫っていく。