ローティ“偶然性・アイロニー・連帯” (2)「公私混同」はなぜ悪い?
初回放送日:2024年2月12日
「公私混同はよくない」とされる常識に反して、社会のあらゆる領域で公私は混同され続ける。オフレコ発言がたちまちニュースを騒がすなど公私が入り混じるのが現代社会だ。 ローティは、公私の区別こそが民主主義の基盤となると主張し「バザールとクラブ」というモデルを提示。私的な仲間内の「クラブ」ではいかなる奇抜な趣味、異常な趣向をもっていても同好の士の間で共有されるが、そこから一歩外へ出ると自分の基準からは許しがたい価値観の人々も交錯する「バザール」が広がると考える。「バザール」内では公共的な規範やマナーが重視されるべきでそこを整備することこそ哲学の役割だとするのだ。