100分de名著

誰もが一度は読みたいと思いながら、なかなか手に取ることができない古今東西の「名著」を、25分×4回=100分で読み解く番組です

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宮本常一“忘れられた日本人” (2)伝統社会に秘められた知恵

初回放送日:2024年6月10日

「寄合」「子どもさがし」「女性たちの相互扶助」。まだ伝統や慣習が色濃く残っている集落には、人々の絆を保持し、納得のいく形で方針が決定される仕組みがある。 民俗学者・宮本常一が注目したのは、何日も何日も話し続け反対意見や不満を全て吐き出させることでみんなが納得できる落としどころを探っていく「寄り合い」だった。そこには私たち現代人がよってたつ民主主義システムが失ってしまった知恵があふれている。第二回は、地域社会に根付く「民俗的システム」がどのようなものなのかを明らかにし、効率性の名のもとに現代社会が見失ってしまったものを浮き彫りにしていく。