北海道の表も裏も伝えます
「新庄さんのやりたい野球を理解し始めている」松本剛選手はカメラにそう語った。2年連続、最下位だったファイターズ。しかし、今シーズンはチーム力が格段に上がっている。新庄イズムの浸透。若手選手の急成長。彗星のごとく現れた攻守の要・田宮裕涼捕手。躍進の裏には、何があったのか?新庄監督3年目となったファイターズの進化と課題に、選手やコーチの証言、NHKプロ野球解説・田中賢介さんの分析から迫る。
サケはかつてアイヌの暮らしの中心にありました。しかし明治以降、川のサケ漁が禁止され、アイヌは伝統的な生活を営めなくなりました。「先祖のように川でサケをとりたい」と、浦幌町のアイヌの団体が起こした裁判の判決がこの4月にありました。主張したのは国連宣言で日本も賛成した先住民の権利「先住権」ですが、日本ではいまだ法律に盛り込まれていません。アイヌの人々の思いとは。海外の現場からもヒントを探ります。
札幌中心部で“場末”と呼ばれてきた場所がある。南3条西10丁目1000番地。明治時代に元会津藩の屯田兵らが開拓した土地。そこに築98年の木造長屋が、駐車場の中にポツンと立つ。昭和風情を残す居酒屋などが入り、長年、酔客を迎え入れてきた。しかし3月末、店はすべて立ち退き、4月には更地となった。再開発のためだった。不動産業界では“眠った土地”として有名だった「1000番地」。変わりゆく札幌と人々の記録。
耳が聞こえない両親と、聞こえる子どもたち。美瑛町の春日晴樹さん・史恵さん夫婦は、5歳の空知くんと1歳の風花ちゃんの4人家族。夫婦は空知くんが2歳の時から、ことばと手話を同時に教え、「家族のことば」を一つ一つ紡いできた。聞こえる世界と聞こえない世界。空知くんの成長とともに、ぶつかり合うことも。夫婦が大切にしてきたのは、子どもの目を見ること。泣きながら、笑いながら・・・丘の町で生きる家族の3年の記録。
礼文島に“伝説のトド撃ち”がいる。俵静夫、88歳。厳寒の海に小舟で向かい、体重1トンのトドを仕留め続けてきた。一発で的確に獲物を仕留める技を持つ者は、今後現れないとさえ言われている。昔、島民にとって、貴重なタンパク源だったトド。しかし今、猟の目的は深刻な漁業被害を減らすための駆除となった。漁師でもある俵はこう語る。「人間が魚を取りすぎたからだ」と。命を奪う意味とは何か?北の海で暮らす老猟師の日々。
どさんこのハナは下川町の人気者。その周りにはいつも人が集まりあたたかなコミュニティが生まれる。飼い主の小峰博之さんはこの春、16年務めた会社を退職。自然の恵みとハナを巡って生まれる町の人との「おすそわけ」の関係で生活ができるからだという。お金を介在しない、ものと心の循環。ハナを取りまく不思議であたたかい日々を春の北国の風景とともに描く。語り:冨樫優花(旭川出身・アイドルグループ「タイトル未定」)
「坂本さんはハンモックで、とてもリラックスしていました-」“教授”の愛称で親しまれた坂本龍一さんが亡くなって1年。彼が愛した札幌のスタジオを、共にレコーディングを行った大貫妙子さんが今回再訪、その魅力を語り、思い出の曲を披露します▽ヒット曲Subtitleは札幌生まれ?-Official髭男dism藤原聡、菅田将暉ら今をときめくアーティストもこぞって使用する、その類まれなホスピタリティにも迫ります
身近だが実は謎だらけの魚「サケ」。中でも、大海原のどこへと回遊しているのか、その経路の全貌は大きな謎だった。そこに答えを出したのがサケの「耳石」に標識する技術。サケの卵の飼育水温を上下させると耳石にバーコード状の模様が付くため、模様のパターンを変えて放流場所などの情報を盛り込むのだ。毎年2億匹以上の放流サケに付けられる耳石温度標識。それを追うことで2万キロにおよぶ大回遊の全貌が明らかになる!
全国の球児が夢見る舞台・センバツ高校野球。この春、酪農の町、別海町の公立高校・別海高校が21世紀枠で甲子園の土を初めて踏んだ。部員のほとんどが道東出身の生徒たち。チームを率いる監督は、町のコンビニの副店長。そんな野球部を支えてきたのが、酪農や漁業などに従事する父母や地元の人々だった。憧れの甲子園での1試合は、選手、監督、町の人に何を残したのか。小さな町の熱い3か月のドラマを見つめた。
東京パラリンピックのNHKリポーターだった千葉絵里菜さん(29)。脳性まひのため、ヘルパーや家族のサポートを受け、帯広で暮らしてきた。去年7月、夫との間に新しい命を授かったことが分かった。ただ妊娠前から「出産時に命の危険が伴う」と医師に告げられていた。もしもの時のため“自分の生きた証を残しておきたい”彼女は生まれてくる娘のために、動画で記録を続け、夫や家族らに向け、エンディングノートも綴り始めた。