日曜朝に心豊かなひとときを!
今回は柿本人麻呂の代表作「石見相聞歌」を取り上げます。相聞歌(そうもんか)とは恋に関わる歌で、別れの歌でもあります。柿本人麻呂にとっては絶唱とも交響楽ともいわれている長歌です。生きていくということは、たくさんの好きな人、事、物に出会うことです。國學院大學文学部教授(特別専任)上野誠さんは、恋とは「いのち」そのものだと語ります。人の出会いや別れに思いを馳せて、相手を愛おしく思う心について考えます。
死者をいたむ歌「挽歌」について、今回は「万葉集」の中から「日並皇子挽歌の世界」を取り上げます。日並皇子尊(ひなみしのみこのみこと)は天武天皇の息子で、次の天皇としての即位が期待されていました。しかし、689年に亡くなり、宮廷社会には大きな衝撃が走ります。國學院大學文学部教授(特別専任)上野誠さんが、柿本人麻呂が奏上した挽歌を読み解き、葬送儀礼を通した人間の社会的な死の受けとめ方について語ります。
こころをよむは、文学・美術・映画など、各分野の第一人者が、現代人が抱える、老い・家族・環境など、さまざまな問題をストレート・トークで分かりやすく読み解いていく番組です。
毎週日曜 午前6時45分
毎週土曜 午後5時45分