大岩剛監督に聞く! パリ五輪アジア最終予選へ ~サッカー男子23歳以下日本代表~

4月15日にカタールで開幕するアジア最終予選。8大会連続のオリンピック出場を目指す23歳以下の日本代表はこの戦いにどう臨むのか、チームを率いる大岩剛監督に聞きました。(スポーツニュース部 サッカー担当記者 神慶佑)

タフな戦いは覚悟の上


暑い中東に16チームが集うパリオリンピックアジア最終予選。1次リーグは4つのグループに分かれて行われ、それぞれ上位2チームが準々決勝に進みます。そして、3位以内に入ったチームがオリンピックの切符をつかみとり、4位はギニアとのプレーオフに回ります。つまり準決勝に進めなければオリンピックへの道は断たれることになります。戦いに臨む23人の選手たちは何を重視して選ばれたのか、大岩監督が選考のポイントを明かしました。

<大岩剛監督>

「短期間で6試合を戦うので、メンタル的も、肉体的にも、タフでなければならないということが前提です。1試合1試合いろいろある中でブレずにチームとして一定の基準を保ち、アクシデントにも対応できる選手を選びました」

いかにして得点を奪うか


日本の勝利のカギを握るのが決定力です。直前の強化試合では身体能力が高いマリに押し込まれる場面が続き1対3で力負け。修正が求められたウクライナ戦はセットプレーやボールを奪ってからの素早い攻撃が実を結び、2対0で快勝しました。最終予選でゴールが期待される攻撃のキーマンがこちら。

▽年齢制限のない日本代表でことしのアジアカップを経験した柏レイソルの細谷真大選手。

今シーズン、J1ではまだ得点がありませんが、前線での体を張った動きで存在感を示しています。

<大岩監督>

「彼はフォワードのタスク(仕事)をものすごく重要視しています。攻撃の起点になりながら背後に抜け出してチーム全体を前進させたり、相手へのファーストディフェンスだったり。アジアカップでの経験をわれわれのグループにも落とし込んでほしいと思っています」

▽今シーズン、J1で6試合で5得点を挙げているFC東京の荒木遼太郎選手。

<大岩監督>

「ここ最近のプレーぶりは本当に目を見張るものがありますし、明らかに成長しています。得点シーンだけに目が行きがちですが、ピッチのいろいろなところで戦っています。当然、得点は期待しますが、セットプレーのキッカーとしても期待しています」

難敵ぞろいの1次リーグ


日本は1次リーグ「グループB」で中国、UAE=アラブ首長国連邦、韓国と対戦します。それぞれのチームをどう分析しているか、聞きました。

<大岩監督>

「中国はしっかり守って個の力でカウンターを仕掛けてくるチームだと分析しています。UAEは中東のチーム特有の身体能力の高さに加え、攻守にわたって組織的な動きをしてきます。そして、長年のライバル、韓国は激しい闘争心で、局面で強い当たりをしてきます。いずれもいろいろな対策を練ってくるので、われわれとしてもしっかりと分析したい」

100%の臨戦態勢で挑む


その上で、大岩監督はチーム一丸となって“日本の強み”をよりハイレベルな形にして戦いたいと決意を語りました。

<大岩監督>

「攻撃ではアグレッシブに全員がゴールに向かっていき、守備では人数をかけて相手からボールを奪って攻守を素早く切り替える。そして、全得点の3割から4割を挙げているセットプレーでも一体感を持ってやる。レベルの高い国とやるわけですから、ハイレベルで緻密な戦いをしないといけない。そのために23人の選手が常に100%の臨戦態勢でいることが必要ですし、だからこそタフでなければいけない。いつ誰が出ても同じ日本のサッカーができるように準備をしたいと思います」

3年前の東京オリンピックは4位だったサッカー男子の日本代表。パリオリンピックでの金メダルを目指して、いよいよ厳しいアジアの戦いに挑みます。

【NHKの放送予定は…】

4月20日(土)午前0:20〜

サッカー AFC U23アジアカップ ~パリオリンピック2024最終予選~

1次リーグ・第2戦 「日本」対「UAE」

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