アメリカの政治学者、ナンシー・フレイザーは16世紀の重商資本主義の時代から、現在のグローバル化の影響を受けた資本主義までを概括し、その中で福祉国家が果たしてきた役割を改めて見直しました。かつての福祉国家がゆらいでいくなかで、貧困や格差の拡大、ジェンダーのゆがみに起因するケア責任のかたよった配分、環境汚染などを含めた課題を解決する新たな福祉国家をどう構築していくか、そのための方途を探ります。
今回は20世紀後半以降の社会状況の変化によって福祉国家が受けてきた、大きな影響についてみていきます。これまで「国家」と「国民」を単位としたシステムだった福祉国家は、グローバル化の進展により、様々な課題に直面しています。産業構造の変化や人口の少子高齢化もあいまって、移民の増加、雇用の不安定化、新しい貧困層が出現してきました。その状況に対応するための新たな「福祉国家」の考え方を紹介します。
高齢者福祉や障害者福祉、子どもの福祉などについて、その歴史から制度までを体系的に学びます。 変わりつつある社会保障制度の基礎も解説します。
毎週土曜 午後7時
毎週日曜 午前8時